保有銘柄の1つであるピクスタ(3416)の競争優位性を確認していきます。
これまでの記事で、競争優位性には代表的なものとして以下の5つの要因があると書いてきました。
- ネットワーク効果
- 無形資産
- コスト優位性
- 乗り換えコスト
- ニッチ市場
※参考記事
2017.12.2 競争優位性
2017.12.9 競争優位性の要因①:ネットワーク効果
2017.12.16 競争優位性の要因②:無形資産
2017.12.23 競争優位性の要因③:コスト優位性
2017.12.30 競争優位性の要因④:乗り換えコスト
2018.1.6 競争優位性の要因⑤:ニッチ市場
ピクスタは「ネットワーク効果」による競争優位性を持ちます。
市場分析
ピクスタの主力事業はストックフォト販売サイト「PIXTA」の運営です。
Googleで「ストックフォト」と検索してみましょう。
サイトが無数に出てきます。
PIXTAは5番目に表示されています。
「写真 素材」などとキーワードを変えて検索してみても、PIXTAは2番目です。
どうやらグーグルさんの評価はそこまで高くないようですね。
ストックフォト業界には、ざっと調べただけでこれだけ多数の競合がいます。
海外勢:Shutterstock、iStock(Getty Images)、123RF、Adobe Stock
国内勢:アマナ、アフロ、Photolibrary
海外勢は規模が大きめで、上場企業のShutterstockを例にとると、2016年12月期の売上は494.3百万ドルです。500億円くらいなので、ピクスタの20倍くらいですね。
これだけ規模の大きい企業に立ち向かうのは難しそうに感じますが、ピクスタによれば日本人や日本に関するコンテンツの充実が同社の強みのようです。
国内勢では、アクセス数一位のようです(2017年12月期第3四半期決算説明資料p26に記載)。
また、2017年5月16日のラジオNIKKEIに古俣社長が出演した際には「今の段階では、国内では大きな競合はいない」というような趣旨の発言をしています。
国内勢を見てみると、アマナやアフロはどちらかというとプロのクリエイター(写真家)が撮った素材がメインのようで、アマ素材メインのストックフォト販売サイトとしてはピクスタが国内1位のようですね。
ネットワーク効果
さて、PIXTAの競争優位性の根拠はネットワーク効果です。
「顧客が集まる→クリエイターが集まる→素材が集まる→顧客が集まる」という流れです。
リンクバルと同様、「間接的効果」です。
※参考記事
2017.12.9 競争優位性の要因①:ネットワーク効果
よって、間接的効果の特徴として、今後も上位数サイトの共存状態が続くものと考えられます。
ただ、圧倒的1位であるリンクバルとは違いピクスタは競合が強めなので、問題は上位に留まれるかどうかというところですが、PIXTAは既にクリエイター23万人、素材点数3000万点の規模に達しており、さらにハイペースで成長を続けています。
ネットワーク効果特有の「加速度的普及」の段階に入っており、ここから他のサイトに潰されるということは考えにくそうです。
海外サイトに比べて日本系コンテンツが充実しているという強みもあります。
今くらいのポジションを維持し続けるのではないでしょうか。
まとめ
競合は多くいるが、ネットワーク効果が働くストックフォト販売サイトで一定の地位を確立しており、リンクバルほどはないにせよ、競争優位性は強いと思われます。
なお、新規事業のfotowaもネットワーク効果で、こちらは今のところ競合がないので、このままリードを広げることができれば、かなり有望だと思います。
また、韓国や台湾のPIXTAについては、まだネットワーク効果特有の「加速度的普及」の段階に達してないので、普及が加速し始めるブレイクポイントを突破できるかどうかが鍵ですね。