不況耐性シリーズの続きです。
参考記事:
2018.3.31 不況耐性
2018.4.7 業種と不況耐性
2018.4.14 不況耐性の分析方法①:前回不況時の業績を確認する
2018.4.21 不況耐性の分析方法②:不況に強い特性(BtoC、低価格、買い続けなければならない商品)に該当するか
次にピクスタ(3416)の不況耐性を分析してみようと思います。
前回不況時の業績
まずは過去記事「不況耐性の分析方法①:前回不況時の業績を確認する」に沿って前回不況時の業績を確認してみましょう。
ピクスタは2015年上場なので、前回不況時(リーマンショックのあった2008年前後)のデータがありません。
よって、この方法は使えません。
不況に強い特性に該当するか
次に過去記事「不況耐性の分析方法②:不況に強い特性(BtoC、低価格、買い続けなければならない商品)に該当するか」に沿って分析していきます。
BtoC
ストックフォトは広告やウェブなど、主に商用目的で利用されるため、PIXTAはBtoBビジネスです。
BtoCには該当しません。
低価格
ストックフォトは単品の最低価格が540円、定額制は月額9720円です。
経費として考えると低価格と言えそうです。
また、受注製作型の商用写真に比べると低価格であるため、不況時には顧客が経費削減のため受注製作型からストックフォトに切り替えることも期待できると思います。
買い続けなければならない商品
主な顧客である広告制作会社や出版会社にとっては買い続けなければなりませんが、そもそも広告・出版の需要が減るため、買う量は確実に減るでしょう。
不況による業績へのインパクト
ストックフォトは広告・出版業界にとっては買い続けなければならない商品で、比較的低価格であるという強みはあるものの、不況時にはそもそも広告・出版の需要そのものが減ってしまうことが懸念されます。
同業他社のアマナ(2402)のストックフォト事業はリーマンショック後、売上が大きく減少しています。
当時の有報を見ると「景気低迷等の影響もあり低価格帯商品へのニーズが顕著に」と記載されており、ひょっとすると低価格を売りにするPIXTAには追い風になるかもしれませんが、楽観は禁物です。
少なくとも売上成長率の低下、場合によると売上減少くらいの事態は想定しておいた方が良さそうです。
売上減少となると赤字転落もありえます。
まとめ
不況時にはストックフォトの需要は減少すると予想され、不況耐性はあまり高くないでしょう。