個別銘柄の不況耐性を見極めるための、具体的な分析方法について説明していきます。
まずは、前回不況時の業績を確認する方法です。
前回の不況時に業績が悪化していなかったか?
個別銘柄の不況耐性を判断するのに、最も明快な方法は前回不況時の業績を確認することです。
より正確には、好況時から不況時にかけての業績の変化を確認します。
前回の不況時に業績が悪化していなければ、次の不況でも大丈夫だろう、という理屈です。2018年現在だと、好況だった2007年ころからリーマンショックの起こった2008年~2009年頃の業績の変化を見れば良いです。
例えば、この前紹介したSHOEIの業績は2008年9月期をピークに2009年以降は急激に悪化しています。
よって、おそらく次の不況でも業績にダメージを受けるだろう、ということが推測できます。
不況に強い例として、デフレ銘柄の代表、ニトリの業績を見てみましょうか。
リーマンショックなどものともせず、成長を続けています。
こういう企業は次の不況でも業績にダメージを受けない可能性が高いです。
この分析方法の注意点
前回不況時の業績を見るのは、過去のデータを元にした分析なので、最も確度の高い方法です。
ただし、注意点が何個かあります。
事業内容が変化している場合には使えない
前回の不況時から事業内容が変化している場合には、この方法は使えません。
不況に弱くなっているパターンもあるし(主力事業に関連した金融業を始めた、とか)、逆に不況に強くなっているパターンもあります(受注生産型からストック型に切り替えた、とか)。
この方法を使うときは、事業内容が前回不況時から変化していないか注意しましょう。
次の不況はもっと酷いかもしれない
前回の不況で大丈夫だったとしても、次の不況が前回の不況よりも深刻なものとなった場合、業績が悪化する可能性があります。
リーマンショックは相当深刻な不況ではありましたが、それよりも酷い不況が来る可能性だってあり得ます。
次の不況がどの程度のものになるのかは予想のしようがないので、これは仕方がないと諦めるしかないですね。
上場間もない企業には使えない
上場してからまだそれほど経っておらず、前回不況時の業績データが入手できない企業の場合は、そもそもこの分析手法は使えません。
私の場合、規模の小さい企業を主な投資対象しているため、どうしても上場して間もない企業ばかりとなります。
そして景気の回復基調が長く続いた結果、前回の不況から10年もの歳月が経過しているため、ほとんどの企業は前回不況後の上場となっています。
そういうときは、別の分析方法が必要です。
次回以降の記事で説明します。