不況耐性の確認①:エムケイシステム(3910)

不況耐性シリーズの続きです。

参考記事:
2018.3.31 不況耐性
2018.4.7 業種と不況耐性
2018.4.14 不況耐性の分析方法①:前回不況時の業績を確認する
2018.4.21 不況耐性の分析方法②:不況に強い特性(BtoC、低価格、買い続けなければならない商品)に該当するか

ここからは個別銘柄の不況耐性を分析していきたいと思います。
最初はエムケイシステム(3910)です。

前回不況時の業績

まずは過去記事「不況耐性の分析方法①:前回不況時の業績を確認する」に沿って前回不況時の業績を確認してみましょう。

エムケイシステムの業績推移(2010~2017)

エムケイシステムは2015年上場なので、前回不況時(リーマンショックのあった2008年前後)のデータがありません。
よって、この方法は使えません。

不況に強い特性に該当するか

次に過去記事「不況耐性の分析方法②:不況に強い特性(BtoC、低価格、買い続けなければならない商品)に該当するか」に沿って分析していきます。

BtoC

エムケイシステムは社労士事務所や労働保険組合、一般企業を顧客としたソフトウェアメーカーです。
つまり、BtoB企業なので、BtoCビジネスには該当しません。

低価格

社労夢事業の主力商品「ネットde社労夢Standard Edition」は月額2万円、1ライセンス追加ごとに5千円です。
まあ、低価格ですね。

買い続けなければならない商品

社労夢事業のASPサービスは月額料金型で、顧客は毎月利用料を支払う必要があります。
また、商品の特性上、どんどんデータが蓄積していくため、途中で別のソフトにデータを移すのは相当な労力を要します。
つまり、乗り換えコストが非常に高いのです。
「買い続けなければならない商品」の典型と言えるでしょう。
さらに言えば、顧客となる社労士事務所も、わりと不況に強い業界だと言えるので、不況時の解約はあまり生じないと考えられます。

一方、CuBe事業はクラウド型の提供も始めたものの、メインは売り切り型なので、不況に強いとは言えません。

不況による業績へのインパクト

不況が業績に与えるインパクトを考えてみたいと思います。
エムケイシステムの事業のうち、不況耐性が強いと考えられるのは、社労夢事業のうちのASPサービスの部分です。
CuBe事業と、社労夢事業のASPサービス以外の部分はフロー型の売上なので、不況の影響を受ける可能性が高いです。
つまり、ASPサービスの売上が全社売上のうちどの程度を占めるか、という点が同社の不況耐性を推測する上で重要になってきます。

エムケイシステムの部門別売上(17-4Q~18-3Q)

ASPサービスの売上比率は全社売上の約半分です。
つまり、残りの約半分は不況の影響を受ける可能性が高い、ということです。

エムケイシステムは営業利益率が高いので、赤字転落はないと思いますが、2~3割程度の減益はありそうですね。

まとめ

全社売上の半分を占めるASPサービスは低価格かつ買い続けなければならない商品であるため、不況時にも安定していると考えられますが、残り半分については不況の影響を受けることが予想され、減益は免れないでしょう。

不況耐性は中程度、といったところだと思います。

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