5年後の業績予想なんて当たるわけがない②

下記記事の続きです。
※2019.5.4 5年後の業績予想なんて当たるわけがない

企業の成長予測は非常に困難です。
5年間の業績予想をしてみたところで、予想どおりに成長することはほとんどなく、大抵は期待外れに終わり、たまに予想を大きく上回って成長する企業が現れる、というのが体感的なところです。

「じゃあ5年後の業績予想をする意味はないのか?」
「だって、その『予想を大きく上回って成長する企業』の株だけを買えばいいんじゃないの?」

私はそうは思いません。
だって、現時点ではどの企業が予想を上回って成長するのかはわからないからです。

ポートフォリオを眺めてみれば、どれも今後の成長に期待が持てる企業で固めています。
しかし残念ながら全ての企業が期待どおりに成長してくれるということはなく、おそらくいくつかは途中で成長がストップして期待外れなリターンに終わり、どれか1つか2つくらいは予想を大きく上回るリターン(それこそテンバガーとか)をもたらすでしょう。
重要なことは、どれが期待外れ銘柄でどれがテンバガー銘柄になるかは現時点ではわからないということです。

それなら、現時点で妥当と思われる成長予想に基づいて割安だと思われる銘柄を複数購入して持ち続けることで、多くの銘柄では失敗するが一部の高リターン銘柄の寄与により、合計すればそこそこのリターンをもたらしてくれるのではないか?

これが私の投資法の基本的な考え方です。

極端化すれば以下のようなゲームに近いと思います。
「サイコロを振って、6が出たら賭け金の12倍がもらえ、1~5が出たら賭け金は全て没収。ゲームは何回でもできる。」
このゲームの期待リターンは2倍、+100%です。
1/6×12+5/6×0=2=+100%と求められます。
しかし、個別のゲームのリターンは期待リターンどおりの2倍になることはなく、12倍か0倍のリターンになります。

5年後の業績予想に基づいた期待リターンというのはこのゲームの期待リターンの考え方に近いです。
今後5年間の成長率は過去の成長率に基づいて予想します。
例えば、これまで30%超の成長を続けてきた企業がいきなり成長ストップするとは考えにくいですし、1ケタ台の緩い成長率に落ち着いている企業がいきなり20%に戻るとは考えにくいです。
「現時点で妥当な」成長予測というのは可能なわけです。
しかし企業の成長は予想に反して大きくブレるものなので期待外れに終わったり、予想を超えて成長することが頻繁に起きます。
個別の銘柄の業績予想が当たることはまれで、大抵は期待外れで一部は予想を大きく超える成長をします
それでも平均すればある程度予想に近づくような予想をして分散投資することで、期待するリターンに近いリターンを得ることは可能なわけです。

上のゲームで言えば、1回のゲームに全財産を賭ける人はいないでしょう。
失敗したときのリスクがあまりに大きいからです。
賢い戦略は、1回に総資産のうちの一定の比率(例えば1/2とか)を賭け続けることです。
そうすれば資産がゼロになるリスクを全く取ることなく長期的には資産を増やし続けることができます。

株式投資もこのゲームと同様、分散投資することで結果を期待値に近づけようとするのが賢明な戦略です。

5年後の業績予想というのは別に5年後の業績を当てようとしているのではなくて、期待値を出そうとしているに過ぎません

だから個別の銘柄の業績予想が外れたからと言って気にすることはありません。
予想が外れることが前提の投資法なのです。
現時点で妥当な成長予測に基づいて割安な株価で購入することを繰り返していれば、リターンは悪くないところに落ち着きます。

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