5月8日にリンクバル(6046)の2019年9月期第2四半期決算発表がありました。
相変わらず業績は絶好調ですが、KPIに陰りが出ており、そのことを意識してか株価も下げ基調です。
決算の概要
2019年9月期第1~2四半期累計
売上 | 経常利益 | |
---|---|---|
2019年1~2Q(百万円) | 1,431 | 514 |
2018年1~2Q(百万円) | 1,261 | 282 |
前年比 | +13% | +82% |
2019年9月期第2四半期のみ
売上 | 経常利益 | |
---|---|---|
2019年2Q(百万円) | 673 | 253 |
2018年2Q(百万円) | 640 | 145 |
前年比 | +5% | +74% |
業績予想に対する進捗率
売上 | 経常利益 | |
---|---|---|
2019年1~2Q(百万円) | 1,431 | 514 |
半期予想(百万円) | 1,585 | 498 |
進捗率 | 90% | 103% |
通期予想(百万円) | 3,347 | 1030 |
進捗率 | 43% | 50% |
2Qのみで+74%という素晴らしい増益率でした。
通期予想に対する進捗率は、売上は43%と少し弱いですが、経常利益は50%と、2Qとしては十分な数字が出ています。
売上の伸びの悪さは自社街コンを意図的に抑えたためです。
18-3Q | 18-4Q | 19-1Q | 19-2Q | |
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自社売上(百万円) | 234 | 251 | 144 | 84 |
前年比 | -24% | -24% | -24% | -60% |
他社売上(百万円) | 427 | 474 | 535 | 515 |
前年比 | +41% | +35% | +39% | +34% |
自社街コンは四半期でわずかに8,400万円の売上で、着々と縮小を続けています。
売上の伸びの悪さは特に問題視はしていません。
しかし、KPIに少し陰りが見えています。
18-3Q | 18-4Q | 19-1Q | 19-2Q | |
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イベント掲載数(千件) | 49.2 | 56.1 | 60.6 | 64.0 |
前年比 | +111% | +73% | +67% | +47% |
参加者数(万人) | 30.0 | 33.1 | 34.1 | 28.6 |
前年比 | +33% | +29% | +27% | +9% |
イベント掲載数は+47%と順調ですが、参加者数はわずかに+9%となっており、ここ4四半期で最も少ない28.6万人という数字が出ています。
この理由はよくわかりません。
昨年と比較して特に天候が悪かったということもないし、休日が少なかったというわけではありません。
四半期の数字は偏りが出るので、単なる一過性の減速かもしれませんし、このまま成長鈍化してしまう恐れもあります。
大事なのは「理由がわからない」ということを自覚した上で投資判断をすることでしょう。
投資判断
株価は下げ基調です。
株価は741円、予想PERは21.7倍です。
期待リターンは+15.5%です。
<期待リターン算出の前提>
2023年9月期経常利益予想:2,402百万円
期待株価:1,215円
NC調整後株価:646円
※期待リターン算出の過程は2019.3.23記事「期待リターンの算出例②:リンクバル(6046)」を参照
期待リターンが+15%以上なので、購入(買い増し)しても良いという判断になります。
ただ、KPIの伸びの悪さが少し気になりますね。
例えば、来期以降の成長率がちょっと落ちると仮定して業績予想をしてみたらどうなるでしょうか?
例えば、2020年9月期から他社街コンの成長率がいきなり+10%に急ブレーキしたとしたらどうでしょう。
自社街コン | 他社街コン | その他 | 合計 | |
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2018実績 | 887 (-32.3%) | 1,670 (+44.6%) | 212 (+13.4%) | 2,769 ( +4.4%) |
2019予想 | 887 ( +0.0%) | 2,171 (+30.0%) | 212 ( +0.0%) | 3,270 (+18.1%) |
2020予想 | 887 ( +0.0%) | 2,388 (+10.0%) | 212 ( +0.0%) | 3,487 ( +6.6%) |
2021予想 | 887 ( +0.0%) | 2,603 ( +9.0%) | 212 ( +0.0%) | 3,702 ( +6.2%) |
2022予想 | 887 ( +0.0%) | 2,814 ( +8.1%) | 212 ( +0.0%) | 3,913 ( +5.7%) |
2023予想 | 887 ( +0.0%) | 3,019 ( +7.3%) | 212 ( +0.0%) | 4,118 ( +5.5%) |
5年後の売上予想は4,118百万円となります。
売上(前年比±%) | 経常利益(対売上比%) | |
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2018実績 | 2,769 ( +4.4%) | 738 (26.7%) |
2019予想 | 3,270 (+18.1%) | 989 (30.2%) |
2020予想 | 3,487 ( +6.6%) | 1,097 (31.5%) |
2021予想 | 3,702 ( +6.2%) | 1,205 (32.5%) |
2022予想 | 3,913 ( +5.7%) | 1,310 (33.5%) |
2023予想 | 4,118 ( +5.2%) | 1,413 (34.3%) |
5年後の経常利益予想は1,413百万円となります。
※算出の過程は2018.12.22「期待リターンのポイント②:業績予想はどうやって算出するのか?」を参照
期待株価は714円、期待リターンは+2.3%となります。
5年後のPERが15倍の前提で計算しているので、これにPERの低下が加われば、もう少し期待リターンは下がりそうです。
いずれにしても、そこまで大きなマイナスにはならないと思います。
成長を継続できるか、成長鈍化するかは現時点では「わからない」です。
わからないのならどっちかのシナリオに断定してしまうのではなく、どっちのシナリオも「ありうる」として判断する、というのが私の方針です。
成長を継続できるならリターンは大幅なプラス、最悪、成長が鈍化するとしてもリターンはわずかなマイナスにとどまりそうなので、賭けとしては十分でしょう。
そのような投資行動を繰り返していけば、ある事例では損をし、ある事例では得をし、最終的な合計リターンは期待値に近い結果に収束するだろうと考えます。
保有継続です。