リンクバル2019/09-3Q KPI前年割れ、成長鈍化が確定的

8月2日にリンクバル(6046)の2019年9月期第3四半期決算発表がありました。
第2四半期ではこれまでの2~3割成長から一転、KPIが1ケタ成長に落ち込み、成長鈍化を危惧していましたが、第3四半期ではついにKPIの1つが前年割れし、成長鈍化が確定的になりました。

決算の概要

2019年9月期第1~3四半期累計

売上 経常利益
2019年1~3Q(百万円) 2,067 758
2018年1~3Q(百万円) 1,980 499
前年比 +4% +52%

2019年9月期第3四半期のみ

売上 経常利益
2019年3Q(百万円) 636 244
2018年3Q(百万円) 719 239
前年比 -12% +12%

業績予想に対する進捗率

売上 経常利益
2019年1~3Q(百万円) 2,067 758
通期予想(百万円)※ 2,720 1030
進捗率 76% 74%

※8月2日修正後の業績予想

3Qのみで減収増益です。

18-4Q 19-1Q 19-2Q 19-3Q
自社売上(百万円) 251 144 84 75
前年比 -24% -24% -60% -68%
他社売上(百万円) 474 535 515 502
前年比 +35% +39% +34% +18%

自社街コンはこれまで同様、戦略的な縮小を続けていますが、他社街コンは伸び率が減少しています。

18-4Q 19-1Q 19-2Q 19-3Q
イベント掲載数(千件) 56.1 60.6 64.0 61.0
 前年比 +73% +67% +47% +23%
参加者数(万人) 33.1 34.1 28.6 29.3
 前年比 +29% +27% +9% -2%

参加者数は一気に前年割れまで落ち込みました。
1四半期の不調なら単なる一過性の減速であるという可能性を排除すべきではありませんが、さすがに2四半期連続、つまりは半年間という長さでKPIの不調が続いたならば、成長鈍化と判断して良いと思います。
しかし、1Qの約3割増から2Qの1ケタ増、3Qで前年割れという急激な落ち込みは全く予想していませんでした。
理由が知りたいところですが、私の調査能力ではわかりません。
ライバルが急に台頭してきたようなことはなさそうです。
唯一考えられるような理由はグーグルのアルゴリズム変更ですかね。
それにより、顧客の流入が減ったという可能性はあります。

投資判断

株価は下げ基調です。

リンクバルの週足チャート 出所:株探

株価は509円、予想PERは14.9倍です。
成長鈍化が確定的になったことにより、今後5年の業績予想を修正します。

<修正前>

リンクバルの事業別売上予想(2018~2023) 単位:百万円(±前年比%)
自社街コン 他社街コン その他 合計
2018実績 887 (-32.3%) 1,670 (+44.6%) 212 (+13.4%) 2,769 ( +4.4%)
2019予想 887 ( +0.0%) 2,171 (+30.0%) 212 ( +0.0%) 3,270 (+18.1%)
2020予想 887 ( +0.0%) 2,757 (+27.0%) 212 ( +0.0%) 3,856 (+17.9%)
2021予想 887 ( +0.0%) 3,427 (+24.3%) 212 ( +0.0%) 4,526 (+17.4%)
2022予想 887 ( +0.0%) 4,177 (+21.9%) 212 ( +0.0%) 5,276 (+16.6%)
2023予想 887 ( +0.0%) 4,999 (+19.7%) 212 ( +0.0%) 6,098 (+15.6%)

リンクバルの業績予想(2019~2023)単位:百万円
売上(前年比±%) 経常利益(対売上比%)
2018実績 2,769 ( +4.4%) 738 (26.7%)
2019予想 3,270 (+18.1%) 989 (30.2%)
2020予想 3,856 (+17.9%) 1,282 (33.2%)
2021予想 4,526 (+17.4%) 1,617 (35.7%)
2022予想 5,276 (+16.6%) 1,991 (37.7%)
2023予想 6,098 (+15.6%) 2,402 (39.4%)

修正後

リンクバルの事業別売上予想(2018~2023) 単位:百万円(±前年比%)
自社街コン 他社街コン その他 合計
2018実績 887 (-57.4%) 1,670 (+44.6%) 282 (+33.0%) 2,769 (+4.4%)
2019予想 378 ( +0.0%) 2,060 (+23.4%) 282 ( +0.0%) 2,720 (-1.8%)
2020予想 378 ( +0.0%) 2,266 (+10.0%) 282 ( +0.0%) 2,926 (+7.6%)
2021予想 378 ( +0.0%) 2,470 ( +9.0%) 282 ( +0.0%) 3,130 (+7.0%)
2022予想 378 ( +0.0%) 2,670 ( +8.1%) 282 ( +0.0%) 3,330 (+6.4%)
2023予想 378 ( +0.0%) 2,865 ( +7.3%) 282 ( +0.0%) 3,525 (+5.8%)

2019年は3Qまでの進捗を踏まえ、修正後の会社予想に合うように帳尻を合わせました。
2020年以降は自社街コン、その他は無成長、他社街コンは+10%成長から徐々に下がっていくと予想しています。
+10%の根拠は特にありません。
こういう急激な成長鈍化のときには予想はかなり難しいのです。
ただ、KPIが前年割れとなるとつい悲観的な予想をしてしまいそうですが、2~3割成長から無成長もしくはマイナス成長という予想はさすがに行き過ぎかな、という気がします。
まあ1割成長くらいに落ち着くと予想しておいて、しばらく様子を見ようと思います。

リンクバルの業績予想(2019~2023)単位:百万円
売上(前年比±%) 経常利益(対売上比%)
2018実績 2,769 (+4.4%) 738 (26.7%)
2019予想 2,720(-1.8%) 1,030 (37.9%)
2020予想 2,926(+7.6%) 1,133 (38.7%)
2021予想 3,130(+7.0%) 1,235 (39.5%)
2022予想 3,330(+6.4%) 1,335 (40.1%)
2023予想 3,525(+5.8%) 1,432 (40.6%)

追加利益率はこれまでどおり50%として経常利益を計算しました。
5年後の経常利益は1,432百万円となります。

期待リターンは+15.1%です。
<期待リターン算出の前提>
2023年9月期経常利益予想:1,432百万円
期待株価:726円
NC調整後株価:407円

一般的には成長株は「成長鈍化したら売り」とする人が多いようですが、私はあくまで現在の株価と今後の業績予想を比較して割高なら売り、割安なら買い、と判断します。
つまり今後の成長率予想が下がったとしても、株価がそれ以上に下がり、割安になれば買い増しという判断をします。
今回のリンクバルの場合は決算発表で成長鈍化が鮮明になったものの、株価は過剰反応しているように見えます。

ただし、この期待リターンはかなり信ぴょう性が低い業績予想に根差しているという点に注意が必要です。
2020年9月期の他社街コンを+10%成長としていますが、今後成長が全くストップするという可能性もなくはないです。
現在の株価もその辺のところを織り込んでいるのでしょう。
無成長で予想PER14.9倍というのは極めて常識的な株価です。

ということで、割安かもしれないが、イマイチ自信が持てない、という判断です。
もし今年のNISA枠が残っていればさっさと売り飛ばして他に乗り換えていたと思います。
ただ、NISA枠はもう残っていないので、様子見します。

昨年末に割高になって売却する際、テンバガーを目指して一部を残しましたが、どうやらテンバガーは難しそうですね。
非常に残念ですが、それでも多くの利益をもたらしてくれたリンクバルには感謝しています。

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