期待リターンの算出例④:クックビズ(6558)

※参考記事:
2018.10.20 期待リターンを使ったバリュエーション
2018.10.27 期待リターンのポイント①:なぜ5年後なのか?
2018.12.22 期待リターンのポイント②:業績予想はどうやって算出するのか?
2019.1.5 期待リターンのポイント③:5年後の想定PERはなぜ15倍なのか?
2019.1.19 期待リターンのポイント④:なぜ株価からネットキャッシュを引くのか?
2019.1.26 期待リターンのポイント④:なぜ株価からネットキャッシュを引くのか?(補足) 無駄遣い企業を避けよ
2019.2.2 期待リターンのポイント⑤:期待リターンの年率換算を厳密に行う理由は?
2019.2.9 期待リターンのポイント⑥:購入基準を15%、売却基準を0%とする理由は?

次に、クックビズ(6558)の期待リターンを算出してみましょう。

①5年後の業績を予想

まずは5年後の業績を予想します。

業績予想算出の流れをおさらいします。
1.過去10年の業績を参照する
2.5年後の売上を予想する
3.5年後の経常利益を予想する

※参考記事:2018.12.22 期待リターンのポイント②:業績予想はどうやって算出するのか?

過去10年の業績を参照する

まずは過去の業績を参照します。
遡れるのが2012年までなので、2012年以降の業績を見ましょう。

クックビズの業績(2012~2018) 単位:百万円
売上(前年比±%) 経常利益(対売上比%)
2012 57 1 (1.5%)
2013 154 (+170.2%) 1 (0.4%)
2014 339 (+120.1%) -56 (-16.5%)
2015 692 (+104.1%) 63 (9.1%)
2016 1,232 (+78.0%) 75 (6.1%)
2017 2,066 (+67.7%) 266 (12.9%)
2018 2,503 (+21.2%) 137 (5.5%)

売上高は2017年までは60%超の高成長、2018年に急ブレーキがかかった感じで、21.2%という常識的な成長率に落ちています。

経常利益率は上下に変化が激しいですが、2017年に12.9%あったことを見ると、潜在的な実力は10%台後半から20%くらいまでありそうに見えます。

なお、ピクスタやリンクバルの事例では事業別に分けて収益予想をしました。
クックビズも人材紹介事業と求人広告事業という2つの事業を持っていますが、これらはサイト「cookbiz」を集客チャネルとして一緒に成長しているので、事業別に分けずに予想する方が妥当かなと思います。

5年後の売上を予想する

以上を踏まえて、5年後の売上を予想してみました。

クックビズの業績予想(2018~2023) 単位:百万円
売上(前年比±%)
2018実績 2,503 (+21.2%)
2019予想 3,064 (+22.4%)
2020予想 3,681 (+20.2%)
2021予想 4,349 (+18.1%)
2022予想 5,059 (+16.3%)
2023予想 5,803 (+14.7%)

2019年11月期については、会社予想と同じ+22.4%の増収率とし、以降9割掛けで成長率が落ちていく予想としました。
2019年の成長率は2018年より高くなりますが、2018年11月期に採用した広告事業の営業人員、人材紹介事業のコンサルタントが売上に貢献してくれるのではないかという期待を込めています。

5年後の経常利益を予想する

次に経常利益を予想してみました。

クックビズの業績予想(2018~2023) 単位:百万円
売上(前年比±%) 経常利益(対売上比%)
2018実績 2,503 (+21.2%) 137 ( 5.5%)
2019予想 3,064 (+22.4%) 205 ( 6.7%)
2020予想 3,681 (+20.2%) 346 ( 9.4%)
2021予想 4,349 (+18.1%) 499 (11.5%)
2022予想 5,059 (+16.3%) 662 (13.1%)
2023予想 5,803 (+14.7%) 832 (14.3%)

2019年11月期の経常利益は会社予想の数字を採用しました。
以降は追加利益率22.9%として計算しています。
追加利益率22.9%というのは2016~2017年の実績です。
(266-75)÷(2,066-1,232)=22.9%
この1年間で最も大きく売上を伸ばしているので、利益率の改善余地としてはこれくらいあるのかなと見ています。

2023年11月期の経常利益は832百万円の予想です。
5年で6倍以上というかなり楽観的な予想ですが、2017年に経常利益率12.9%を稼いでいたのを考えると、2023年の14.3%という数字は現実的な範囲かなと思います。
問題は売上をここまで伸ばせるのかという点ですが、飲食業界の人手不足を考えるとこれくらいのニーズは十分あるだろうと考えます。

②想定PER15倍として5年後の期待株価を算出

次に期待株価を算出します。

5年後の経常利益予想832百万円×(1-法人税率35%)÷(発行済株式数2,187,641-自己株式0+新株予約権149,200)×想定PER15倍=3,473円

創業者の藪ノ一族が株主構成の過半を占めているため、留保金課税が発生し、法人税率は通常の約30%より高い35%で計算しました。

5年後の期待株価は3,473円です。

③現在の株価から一株当たりネットキャッシュを引いたNC調整後株価を算出

昨日の終値は2,015円です。
一株当たりネットキャッシュは、2019年11月期第1四半期末時点で現金が963百万円あるので、
963百万円 ÷発行済株式数2,187,641=440円

NC調整後株価は
2,015円-440円=1,575円
となります。

かなり安くなりますね。
クックビズの場合、ネットキャッシュを考慮に入れるかどうかで評価は大きく変わります。
この辺にも投資チャンスがありそうです。
つまり、PLだけ見てBSを見ない人はこの銘柄を割高と判断するため、株価が過少評価されている可能性があるということです。

④NC調整後株価と5年後期待株価をもとに年率の期待リターンを算出

期待リターンは3,473円÷1,575円=2.21倍です。
「5年後」は2023年11月30日なので、1687日後です。
これはExcelで =DATE(2023,11,30)-TODAY() と入力すれば計算できます。
年率の期待リターンは2.18365/1687=+18.7%となります。

投資判断:期待リターンが15%以上なら購入、0%以下なら売却

期待リターンが+15%以上なので、購入しても良いという投資判断になります。

クックビズ(6558)の日足チャート 出所:株探

第1四半期は減益決算となったにもかかわらず、売りはほとんど出なかったですね。
実はがっかり下げになったらここを買い増ししたいなという下心があったんですが、そんな隙は与えてくれませんでしたね・・・。
やはりここの株主たちはこの会社の季節性要因くらいは当然、理解しているようです。
短期目当ての人は2018年のダラダラ下げであらかたいなくなってしまったのでしょう。
この出来高の少なさ、決算に対する冷静な反応、長期投資家が淡々と仕込んでいる雰囲気がひしひしと伝わってきます。

昨年末の底値からだいぶ上がりましたが、まだまだ割安だと思います。
大きな成長余地を秘めている成長株だと思います。

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