PCデポ(7618)の全部売却

4月6日にPCデポ(7618)を全部売却しました。
売却理由は新型コロナウイルスの流行により業績が悪化すると考えたからです。

取引の詳細

PCデポ(7618)の週足チャート 出所:株探

PCデポ(7618)の週足チャート 出所:株探

 銘柄 株数 購入単価 売却単価 損益 損益率 購入日 売却日 年換算
PCデポ 200 402 362 -2,8000 -10% 2019.5.7 2020.4.6 -11%

当時の事業の状況

当時の最新の決算は2月13日に発表された2020年3月期第3四半期決算で、業績は停滞している状況でした。
まずは2020年3月期第3四半期決算を振り返りましょう。

2020年3月期第1~3四半期累計

売上 経常利益
2020年1~3Q(百万円) 28,854 2,316
2020年1~3Q(百万円) 30,392 2,108
前年比 -5% +10%

2020年3月期第3四半期のみ

売上 経常利益
2020年3Q(百万円) 9,594 874
2020年3Q(百万円) 1,0235 782
前年比 -6% +12%

業績予想に対する進捗率

売上 経常利益
2020年1~3Q(百万円) 28,854 2,316
業績予想(百万円) 41,000 2,600
進捗率 70% 86%

1Q、2Qに続いて減収増益です。
人材教育に集中するため広告を積極的に打たず、バイトを減らして利益を確保、という流れです。

ソリューションサービス売上推移
4Q 20-1Q 2Q 3Q
売上(百万円) 6,237 5,803 5,756 5,577
 前年比 -4% -11%% -7% -12%

ソリューションサービスもなかなか上向いてきません。
まあ会社にとっては、想定内なのでしょう。
焦らず人材レベルを上げることに集中して、態勢が整ったら徐々に販促を増やして攻めに転じようと言った考えだったのではないでしょうか。
「そろそろ攻めに転じてもいいんじゃないの?」とは思っていましたが、会社の方針は悪くないし、もう少し見守るか、という判断でした。

新型コロナウイルスの流行と売却判断

で、新型コロナウイルスが流行します。
テレワーク需要によりPC販売店は大繁盛するわけですが、当時の私はそんな考えに至らず、「外出自粛で小売店は全部ダメだろう」と思っていました。
特にPCデポの主要顧客は高齢者なので、売上はがた落ちだろう、と予想しました。
で、コロナ禍でも業績を伸ばせる銘柄に乗り換えた方が良いだろう、と判断して売却しましたが、その後の月次は以下のように推移しました。

月次報告
4月 5月 6月 7月 8月 9月
商品 +32% +42% +21% +15% +4% -33%
サービス -6.9% -3.1% -6.5% -4% -5% -10%

私の予想は大外れ。
テレワーク需要でパソコンは売れに売れます。
酷いですね。

この売却判断は完全な誤りでした。
事業に対する理解の欠如ですね。
猛省です。

PCデポへの投資への総括

PCデポは成長株メインの私としては珍しく業績回復株としての投資でした。
2016年8月に高齢者に不必要なサービスを売りつけるという不祥事を起こし、そこから業績は低迷。
しかし、ニーズは底堅く、成長余地も大きいため、信用さえ取り戻せば成長していけるのではないか、という見立てで2019年5月に402円、当時の予想PER11倍という値段で購入します。

しかし、不祥事から4年経ちましたが、未だに不祥事前の利益水準を取り戻すことはできていません。
これは信用を取り戻せなかった、というよりも社長の経営方針ですね。
不祥事後、2018年9月までサービス売上は前年割れが続きましたが、2018年10月から前年比プラスに転じます。
「さあここから回復だ!」という局面で、社長は「販促をストップし、人材教育に専念します」と宣言して、2019年10月からサービス売上はまた減少に転じます。

なぜ販促をストップしたのか?
もしかしたら、「このまま売上を増やしていけば、また不祥事が発生してしまうかもしれない」と思ったのかもしれません。
詳しくはわかりませんが、不祥事以前のPCデポは社員に過剰なノルマを課していた、というような噂があります。
それが高齢者に高額商品を売りつける引き金になってしまったのかもしれません。

そうした事態の再発を防止するためには、社員教育を徹底し、社員1人1人が顧客利益を最優先に考えられるような体制を作らなければならない、と考えたのかもしれません。
だから、あえて成長をストップさせ、社員教育に専念したのかもしれません。

社長のこうした経営方針の転換は立派だと思います。
ただ、投資対象として見るとどうか。
テレワーク需要で商品はたくさん売れましたが、サービス売上は未だに前年割れの状況が続いています。
テレワーク需要を取り込んで会員にするということを敢えてしなかったのです。
つまり、社長はまだ攻めに転じる段階ではないと見ているわけです。
千載一遇のチャンスをみすみす逃したように見えます。

結局、今後の株式のリターンは社長の判断次第になるでしょう。
つまり、社長が「そろそろ社内体制も整ったし、再成長するか!」となれば業績も株価も伸びるわけですが、それがいつになるのか、本人以外にはわかりません。
もしかしたら「もう利益の追求はやめて、社会貢献に徹するんだ!」と決意して、再成長に転じることは一生ないのかもしれません。

結果的にコロナの影響を読み違えて売却することになりましたが、そもそもPCデポに投資したのはどうだったのかな、と思います。
いつになるかわからない業績回復に賭けて投資するよりも、現時点で成長している企業に投資した方が私の性に合っているように思います。
業績回復株への投資は難しいと痛感しました。

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