7月12日にクックビズ(6558)の2019年11月期第2四半期決算がありました。
昨期は先行投資により大きく利益を減らしましたが、思ったより早く結果を出してきた印象です。
決算の概要
2019年11月期第1~2四半期累計
売上 | 経常利益 | |
---|---|---|
2019年1~2Q(百万円) | 1,460 | 132 |
2018年1~2Q(百万円) | 1,172 | 60 |
前年比 | +25% | +120% |
2019年11月期第2四半期のみ
売上 | 経常利益 | |
---|---|---|
2019年2Q(百万円) | 838 | 152 |
2018年2Q(百万円) | 654 | 53 |
前年比 | +28% | +187% |
業績予想に対する進捗率
売上 | 経常利益 | |
---|---|---|
2019年2Q(百万円) | 1,460 | 132 |
業績予想(百万円) | 3,064 | 205 |
進捗率 | 48% | 65% |
3~5月である2Qは採用時期であるため、クックビズにとっては稼ぎ時ですが、しっかりと稼いでくれました。
第2四半期通算で+120%という大幅増益です。
ただこの+120%という数字は昨期の利益が少なかったために誇張されている感があり、2017年11月期第2四半期は経常利益137百万円だったことを考えると、順当な成長だと言えます。
しかし、ピクスタの例を見てもわかるように、普通は先行投資期間から抜け出すには何年もかかるものですが、クックビズは思ったより早く結果を出してきたなという印象です。
事業別実績
人材紹介事業
売上 | 営業利益 | |
---|---|---|
2019年1~2Q | 924 | 200 |
2018年1~2Q | 779 | 106 |
前年比 | +19% | +89% |
2019年予想 | 2,007 | 434 |
進捗率 | 46% | 46% |
求人広告事業
売上 | 営業利益 | |
---|---|---|
2019年1~2Q | 520 | 52 |
2018年1~2Q | 384 | 67 |
前年比 | +35% | -23% |
2019年予想 | 1,027 | 32 |
進捗率 | 51% | 164% |
人材紹介事業は上期で+19%の増収(2Qのみで+23%増収)となり、ここ数四半期で弱かった数字からようやく抜け出してきました。
「エリア外からの求職者の増加によるマーケティング効率の悪化」という課題を克服しつつあるようです。
昨年開設した名古屋、福岡、横浜の地方拠点が機能してきたのでしょう。
求人広告事業は3割超えの成長で順調です。
昨期採用した営業人員が貢献しているのでしょうか。
また7月22日には「クックビズダイレクトプラス」利用企業300社突破という発表もありました。
ダイレクトプラスは、従来の成果報酬型のサービスと異なり、月額10万円で何名でも採用できるというものです。
通年では月額10万円×300社×12か月=3.6億円というボリュームになり、全社売上20億円台のクックビズにとってはかなりのインパクトだと思います。
極めて順調な数字で、通期予想に対する進捗率も経常利益で65%となっており、上振れしそうです。
例年2Qより4Qの方が稼いでいることを考えると、過去最高益だった2017年11月期の経常利益266百万円を超えるかもしれません。
6月にはベトナムの学生の育成・人材紹介事業を開始したという発表もあり、これにも期待したいです。
投資判断
決算発表翌日はストップ高となり、堅調に推移しています。
昨日の終値は2960円、予想PERは52.8倍。
PER50倍超というと割高に感じるかもしれませんが、おそらく会社予想は上回ってくるので、そこまで割高でもないと思います。
仮に今期経常利益300百万円とすると、PERは30~35倍程度です。
期待利回りも算出してみましょう。
4月にはクックビズの今後5年の業績を以下のとおり予想しました。
売上(前年比±%) | 経常利益(対売上比%) | |
---|---|---|
2018実績 | 2,503 (+21.2%) | 137 ( 5.5%) |
2019予想 | 3,064 (+22.4%) | 205 ( 6.7%) |
2020予想 | 3,681 (+20.2%) | 346 ( 9.4%) |
2021予想 | 4,349 (+18.1%) | 499 (11.5%) |
2022予想 | 5,059 (+16.3%) | 662 (13.1%) |
2023予想 | 5,803 (+14.7%) | 832 (14.3%) |
※2019.4.20当ブログ記事「期待リターンの算出例④:クックビズ(6558)」より
2019年11月期については上記の予想を上回りそうですが、5年後の経常利益832百万円という予想は据え置くことにします。
四半期の業績の良しあしで長期的な見通しを上げ下げするのは考え物です。
四半期の出来には波がありますからね。
期待利回りは+9.1%となります。
<期待リターン算出の前提>
2023年9月期経常利益予想:832百万円
期待株価:3,473円
NC調整後株価:2,386円
成長性を考慮するとフェアバリューだと思います。
株価は買値の倍になりましたが、この程度で売りたくなるようでは長期投資家としては失格です。
稼ぐべきところで大きく稼ぎましょう。
継続保有です。